【完】一粒の雫がこぼれおちて。






「はい、これ。」



そんなとき、ぽいとゴミを投げるかのように渡された大きな箱。


可愛らしいオレンジの包装紙に包まれていて、少しだけ重たい。



「これ何?」


「クリスマスプレゼント。」



クリスマスプレゼント!?



「だ、誰から……っ?」


「は?」



本当にこれ……蒼空から?


蒼空が、私にクリスマスプレゼント……。



「僕からに決まってるじゃん。」



すごく……嬉しい……っ。



「茶番はいいから、早く開ければ?」


「いいの!?」


「……もうしずくのものなんだから、好きにすればいいよ。」



蒼空から許可が下りた私は、物凄い勢いで。


でも包装紙が破けないように器用に、箱の周りを取っ払っていく。