【完】一粒の雫がこぼれおちて。






手を引かれるままに歩く。



案外、ゲームセンターのある通りから蒼空の住宅街までは近くて。


ただ私たちが立ち止まっていただけで、歩き始めればものの数分で着いた。



「入って。」



久々に来る、蒼空の家。


泊まったのはあの時の1回だけだけど、遊びには付き合ってからも何回か来た。


だから本当は、そこまで久しぶりじゃないんだけど。



一時期蒼空がバイト始めて、最近は家に来るどころか、中々会うことが出来なかった。



「蒼空……。」



……だからか、何故か緊張する。



あの雰囲気のまま帰って来たというのもあるし、今日が聖夜と言われるクリスマスってのも、あるかもしれない。



目の前にいる彼氏が、物凄く輝いてみえて……ドキドキする。