【完】一粒の雫がこぼれおちて。






今日は待ち合わせの日。



蒼空に指定された学校近くの公園で、私は蒼空を待つ。


あの日、蒼空が私にくれたコートを纏って……。



「しずく。」


「あ……お、おはよ。」


「ん、おはよう。」



時間通り、ぴったしにやって来た蒼空。



半年前、この想いが恋と知ってから、蒼空がますますかっこよく見えて仕方ない。


相変わらず眼鏡はかけてるし、私以外の人には冷たいから実際何も変わってないんだけど……。



……周りの女の子がちょっとでも蒼空を見てると、何だか胸がムカムカする。


今まで蒼空のかっこよさは私しか知らなかったのに、女の子が蒼空を見て話してるのを見かけると。


どうしても、蒼空がモテているようにしか見えなくて。