「残念。泣いてたら、また慰めてやろうと思ったのに。」
……だから、嫌でも気付いてしまった。
「それは残念ね。もう貴方は用済みよ。」
「もう兄さんのことは吹っ切れたの？」
美衣奈がずっと、兄さんを想っていたことに。
「……。」
「……いつから？」
「え……？」
「いつから、兄さんが好きなの？」
しずくと和泉が付き合ってから、美衣奈はすぐ兄さんに告白した。
初めて、その想いを伝えた。
「……さあね。気付いたら、好きだった。」
告白して、美衣奈は振られた。
分かってたらしい、振られることは。
それでも伝えたかったと、俺に縋り付いて泣く美衣奈は言った。
