今まで黙っていたしずくが、手に力を込めた。 「和泉くん……私、ここにいていいのかな……。」 「は……?」 今度は、僕の声が震えた。 「私……、大ちゃんを1人にさせられない。」 偽りの無い力強さを持った、熱い眼差し。 僕に向けられたその目に、迷いは無かった。 「やっぱり私、大ちゃんが好き。例え、暴力を振るわれたとしても。」 それは遠回しに、僕を遠ざけた言葉だった。