そして。 「じゃあ私、ディナーのためにドレスを調達してくるから。毬也、付き合いなさい」 「は、なんで俺だよ。舞香と女同士で行ってこいよ」 「あら、この子と行くより芸術家のあなたと行ったほうが有意義な時間を過ごせるわ」 「だそうだ、舞香」 そこで話を振ってくるのは意地の悪い王様。 女王は相変わらずの上機嫌。 「えぇ、お姉様。どうぞ毬也お兄様と素敵な時間を」 わざとらしいくらいの笑顔で私はそう言った。