「そんなの聞かれて話すもんだろ普通」 「そっそれでお姉様?お相手はどちらに?」 女王の機嫌を損なわないように、 私は王様の言葉を遮った。 「あら、めずらしく役に立つことをきいてくるのね。じゃあ教えてあげるわ。 この私にふさわしいお相手は、榛奈憂さんよ」 榛奈憂。 離宮の家が代々から懇意にしている榛奈グループの一人息子。 大財閥の間では話題の若き権力者。 「へぇ、あの女狐も恋なんかするんだ」 「毬也お兄様!」 興味無さそうにそう呟く毬也に 私は小声で静止をかけた。