秘密の猫




そんな私が15になった頃ーーーー
周りの私を見る目が
少しづつ変わってきた。






「離宮(りきゅう)家の二女をご覧になって?」





「あの美貌、あのまなざし」




「所作もお姿も美しくて、年下だとわかっていてもドキドキするよ」






私の抱いてきた底はかない背徳感。
真正面を向けない視線の癖。
痩せた白い身体も。
熟れた苺のように赤い唇も。
ただ、美しさと称されるようになったーーーー