秘密の猫


子供の頃から身体が弱かったせいか
小枝みたいに痩せっぽっちで
外にも行かせてもらえなかったため
私は真っ白だった。
だけど瞳と髪はみんなが驚くほど黒くて
唇だけが紅を塗ったように異様に赤かった。


そんな私を見て
姉は言った。






「人形みたいな顔をして。何考えてるか分からないわ。不気味な子。」






双子の幼馴染の兄は言った。





「だれかれ構わず誘惑するいやらしい情婦みたいだ」






その弟は言った。






「からっぽ。あいつの目は暗闇しか見てないみたいに、いつもからっぽ。」