秘密の猫




「彼、いつも言ってくれていたの。
"お嬢様はお綺麗です"ってーーー」







目を閉じれば今も思い出す。
あの綺麗な白い腕で、よく私に花の髪飾りを作ってくれていた。

あの綺麗な顔をした少年はーーーー







「だけど突然、彼は私の前から姿を消しました。」








王様は退屈しのぎに
めずらしく黙って私の話を聞いていた。









「なぜだと思います?」





「どうせあの女狐のおかげだろ?」





「ーーーーーさすがお兄様」








あろうことにあの女王は
私のお気に入りの庭師を解雇したのだ。

理由はもちろん。


"私以外に綺麗だなんて言うからよ"