「ほら、さっさと来いよ」



聞き返そうとしたけど、片桐は手に持った鍵をちらつかせながらさっさと立ち去ろうとする。



まるで、何も聞くなというように。



仕方なく言葉を呑み込んだあたしは、立ち上がって片桐の後を追った。



そして鉄の扉を開けて校舎の中に入ったところで、合鍵で扉の鍵を閉めるのを見守る。



「忠告しとくけど、学校の中では絶対に話しかけんなよ?」



「…………」



やっぱり俺様で偉そうな奴だ。


まぁ、話しかけるつもりはないからいいけどさ。



「約束破ったら、二度と屋上に顔見せんな」



背が高いから、無表情で言い放たれる言葉が怖くて萎縮してしまう。