キミの心に届くまで



他に行く場所も思い当たらなかったから、仕方なくそう聞いた。


迷惑そうな顔をされるだろうということはわかっていたけど、それでもまだここが一番マシだもん。



「勝手にすれば?」



あたしの声に顔を上げて、やっぱりさっきと同じように無表情でそう言い放つ彼。


どこか冷めたような、何事にも興味のなさそうな顔。



冷たくて淡々としたような声だけど、気にせずその言葉通り少し離れた場所に腰を下ろした。



そして、持って来ていたお弁当を膝の上に置く。



でもなんだか、食欲がないや。


すずの幸せそうな笑顔を思い出して、胸の奥がズキッと痛む。


はぁ。


最近、ため息ばかりで嫌になる。



「お前、俺のこと知らねーの?」



前を向いたままつぶやかれた声に、ゆっくり顔を向ける。


そこには相変わらずの無表情な横顔があった。



「知らないよ。知ってたとしても、興味ないもん」



「あっそ」



自分から聞いて来たくせに、なによその感じの悪い態度は。


そう思ったけど言い返すことはせずに、さっきと同じ場所に視線を戻した。