行かなくなってしまえば、離れるのは案外簡単だった。 廊下ですれ違っても特に何も言われることもなく、目が合うことすらなくて。 まるで、あの日々がウソだったんじゃないかと思うほど他人も同然の関係に戻った。 会わなきゃ楽になるかと思ったのに、その考えは甘かった。 どこにいても、何をしてても常に頭の中には郁都がいて。 自分から離れたくせに、廊下で目も合わせてくれない現実に泣きそうになった。