「わっ!」
様子を伺うように顔の方ばかりを見ていたせいか、男子の足に思いっきりつまずいて体勢を崩した。
だけどなんとか踏み止まり、転ぶというみっともない姿をさらけ出さずに済んだ。
ギリギリセーフッ!
よ、良かった〜!
「おい」
そう思ったのもつかの間、低く不機嫌そうな声が耳に届いた。
考えなくてもわかる声の主は、さっきまで下を向いて寝ていたであろうその男子。
なんだか怒ったような声だけど、そもそもこんなところで寝てる方が悪いんだからね?
つまづいてしまったことを棚に上げて、そんなことを思ってみる。
ま、本人には言えないんだけどさ。
恐る恐る顔を見る。
すると、無表情であたしを見つめる派手な茶髪の男子と目が合った。



