呼吸が乱れて肩が揺れる。
緊張のあまり、手が震えた。
こんな時に思い出すのは、いつしか郁都が言ってくれた『弱さをさらけ出すことが強さ』だという言葉。
弱さを……さらけ出す。
「あたしね……本当は柏木君のことが気になってたの。すずと付き合ったって知って、ショックだった」
柏木君を見るとドキドキしたり緊張したり、胸が痛かったり苦しかったりと、色んな感情が沸き起こった。
すずに嫉妬もしたんだけど。
「でも、好きだったわけじゃなくて……ただ憧れてただけなんだと思う。あたしは……あたしはっ」
本当はね。
柏木君のことを話すすずの幸せそうな顔を見ていたら、あたしなんか必要ないんだって言われているようで。
『あんたなんかもういらない』って、そう言われるのがすごく怖かっただけだったの。



