キミの心に届くまで



「ここの鍵のスペアキー作ったからお前にやるよ」



「いい、の……?」



ダメだってわかってるけど、あたしの為を思って用意してくれた片桐の優しさが嬉しい。



心にジーンと沁みて、涙がジワジワ浮かんで来た。


知らなかったよ、嬉しくても涙って出るんだね。



「見つかったら、お前も共犯だからな」



そんな憎まれ口さえも今は嬉しくて。


震える手で鍵を受け取った。



「ありがとう、片桐」



「笑いながら泣くなよ。どっちかにしろ」



「な、泣いてないよっ!」



目を潤ませていたことに気付かれてしまい、とっさに顔をそらした。