「けどなるべく返すようにするから、遠慮なくしてくれていいし」 「あ、ありがと……」 まさか、そんな風に言ってくれるなんて思いもしていなかったから素直に嬉しい。 心配……してくれてるの? 少しでも、あたしのことを気にかけてくれてるんだよね? 不器用だけど、片桐は優しい人なんだって今ならわかる。 多くを語らなくて、本当に何考えてるかわからないけど、心に伝わって来る片桐の優しさ。 「それと……これ」 「えっ?」 遠慮がちに差し出されたその手には、なにかの鍵が乗っていた。