『いらねーよ』とは一度も言われたことがないから、勝手に作って渡してるだけなんだけど。


それでも受け取ってくれるから、なんとなく嬉しくて持って来ている。


多分、持って来なくても『あっそ』って言われるだけなんだろうけど。



あの日から距離が縮まったのは確かだけど、片桐とは相変わらず昼休みの屋上でしか話さない。



連絡先も知らなければ、あたし自身のことについて深く聞かれることもない。


だからあたしも、何かあるんだろうなってわかってても聞くことが出来ずにいた。



そんな緩い関係がすごく心地良く感じることもあれば、片桐のことをもっと知りたいと思う自分もいて。



時々、胸が苦しいくらいに締め付けられる。