「……チッ……」
悔しそうな顔をする爽
「この娘、お前の惚れた女だろう?だったら…少し言うことを聞いてもらおうか?とりあえず体育館内は爽。お前一人だけにしろ」
な……‼︎そんな事したら爽は間違えなく…
「お前ら。後ろの2人を拘束しておけ」
命令を出された2人は真白と徹を追い出し外で縛ってる
「お前の望みはなんだ……」
ビクッ……
今まで聞いたことのないドスの利いた声…
その形相は恐ろしいものだった
「俺の望み…?それはお前の悔しそうな顔を見ることだよ!お前がこの下にいる連中を全て殺って俺を倒したからこいつは返してやろう」
……一対三十弱
卑怯にもほどがある
「それだけじゃおもんねぇから…10分ごとにペナルティありな?ペナルティは勿論、この娘が受けることになるが…」
嫌な予感がする
「まさか……」
私が声を出したのに反応するように答えるリーダー
「そのまさかだ。楽しみにしておけ。お前の王子様が10分以内に全員倒すことをな…。あ、逃げてもいいぞ?その場合は俺たちで楽しませてもらうがなぁ」
爽が傷つくのは嫌だ…
「爽…逃げて……お願い…」
私が頼むと一瞬驚いたような顔をしたが絶対逃げないの意味を込めて顔を横に振った
「そうだ…お前にいいことを教えてやろう」
またリーダーが爽くんに話しかけている
「何だ……?」
「桐生姫奈のことだが…」
私⁉︎
私のことって何か知ってたっけ……
「桐生は男性恐怖症。これを言うと今立ててない意味はわかるな?立たせてみせようか?おい、立たせろ」
……‼︎何でそれを言うの…
グッと体を引き寄せて立たせるヤンキー
足の震えだけは止まらない
「お前を見たらわかるよな…?あいつがどんなに震えてるかくらい」
パッと手を離され
足に力が入らない私は床に崩れ落ちた
「姫奈!お前ら……」
「じゃあ始めるぞ?体育館にあったこれを借りておいたから時間は測れる」
リーダーが出してきたのは電光のタイマー
それを10分にセットすると喧嘩が始まってしまった