眠い…


水の中にいるみたい


「姫奈……早く目を覚まして……。俺にはお前が必要なんだよ…」


……誰?


私を…呼んでるの?


お父様…お母様…私の幸せを願ってくれてありがとう


スーーー……


「姫奈⁉︎」


涙が流れる……


みんなの元に帰ろう……


「涙……?姫奈…?」


___ピクッ


指先がかすかにでも確かに動いた


ゆっくり目を開ける姫奈


眩しくてまた目を閉じたが徐々に慣れてきた


「そ…う…」


絞り出すように出した声に反応してくれる


「姫奈‼︎」


叫び声に近い声で叫んでくれた私の愛おしい人


真白はナースコールを押している


「真白……徹くんも……心…配かけて…ごめ…」


「姫奈が起きてくれただけでいいの‼︎」


真白が泣きながら言ってくれた


徹も、何も言わないけど涙をこぼしている


私…もう一人じゃないんだね……