「姫奈が…楽しそうに笑うんだ。桜達が死んでから…全く笑わなくて友達もいなかったのに……」


そこまで聞いて驚いた


笑わない姫奈なんて想像できない…


「八王子くんたちのお陰だったんだね。ありがとう。でももう遅いから今日は帰りなさい…」


「でも……‼︎」


すぐ反論したが首を横に振られた


「今は多分集中治療室か手術室に入ると思う……。今日は寝て、明日、病院に来なさい。君たち3人は1ヶ月間の欠席を許可する」


「「「……っ‼︎ありがとうございます……」」」


泣きながらお礼を言う


心から…感謝の気持ちを伝えて…


「今は辛いと思うから…3人は八王子くん達の部屋で一緒に寝てもいいことにするよ…。全員、両親を失ってるんだろう?」


ここまで優しいと思ってなかった


深く深く頭を下げ寮に戻った


帰るまでの道のり、会話は一切なかった