あ、そうだ…


「暗い話で悪いんだけどさ……真白の事教えてくんね⁇」


あぁ…。と思い出したようにこっちを向く真白


いつもと変わらないように話してるつもりでも真白の瞳は黒かった…


「私ね…?親がいないの。殺された」


「真白…もか?」


徹……?


「俺も…いねーよ……」


まさか…ここにいる全員が…


「姫奈は…?親……」


俺が話を振るとうつむく姫奈


「私…お母様とお父様死んだよ……。私を守ってね…」


一瞬、お父様とお母様という呼び名に違和感を感じた


そんな呼び方一般庶民はしないのに…


「そっか……。じゃあみんな一緒だ。俺も親がいねー」


俺らが仲良くなったのは人を失ったことがあるのに


明るく振舞ってる奴ら


それだけ強くなれた奴らの集まりだったんだ


「そろそろお開きにするか。明日も学校だし」


そうだな。と徹と真白は言って帰っていった


「姫奈……?どうかした?」


様子がおかしい


でも俺は深く考えてなかった


「ううん。何でもない‼︎じゃ、おやすみ」


「あぁ。おやすみ」


姫奈が出て行った後、しばらく携帯をいじっていた


「……ック……ヒック……」


泣い…てる……?


姫奈!?


飛び出して部屋の前まで行く


でも…俺はドアを叩けなかった…


「ック…ック……ヒック……」


姫奈は周りに聞こえないように…声を押し殺して泣いていた


しばらく姫奈の部屋の前のドアの前に座り込み泣き止むのを待った


しばらくすると泣き疲れたのか寝息が聞こえた


俺は安心して部屋に戻ったんだ…


この時ドアを叩いていれば……


後悔してももう遅い