「失礼します」


校内放送で呼ばれた私は直ぐ職員室に向かった


「桐生…お前に話があるそうだ」


誰?ダンディーな男の人


「初めまして。桐生姫奈さん。私は『能力開発都市』の責任者だ」


能力開発都市…?何ソレ?


「あぁ、すまない。能力開発都市とはな、魔法使い…まぁ超能力者を開発する都市だ」


超能力者?魔法使い?でもなんで私にそんな話を?


「え…と、私に何の関係があるんですか?」


「私たちが主催したテストを全国で行ってもらったんだ」


テスト…テスト…


あぁ!あの意味のわからないテストかぁ


☆超能力者に憧れますか?
☆勉強は得意ですか?
☆死にたいと思ったことはありますか?


っていう感じの意味わからないテスト


「やりましたね。でもなんで私に?」


急に真面目な顔をした責任者さん


「あなたはあのテストに合格したんだ。だから…」


だから…なに?


「あなたには『常盤ヶ丘学園』に通ってもらう」


……え?何言ってるのこの人


「嫌ですよ…」


「何でですか?不満なことは何もないと思いますが?生活など全てにおいて完璧の環境を提供しますよ」


確かに…私は小さい頃から超能力者になりたかった


非現実的ってわかってるけどね?


でも私は守りたかったから…


力が欲しかったから…


「ちなみに、あなたに拒否権はほとんど…というより全くないんですけどね?」


はい?マジですか?


「私…は、小さい頃から今までずっと超能力者になりたかったです。周りの人が傷つく姿を見たくなかったから…」


久しぶりに自分の意見を言った気がする…


「では、入学してくださるのですね?」


……。慣れない生活は怖い。でも今のこの生活は嫌い


周りの人は人の悪口ばっかり


だから私は…


「はい。よろしくお願いします」


常盤ヶ丘学園の入学を希望します