「姫奈……」


俺は近づいていく


「爽くん…ごめ…なさい…。わたしが捕まったから……」


必死に謝ってくる姫奈


「姫奈のゴメンはいらない。その代わり俺のお願いとか聞いてくれね?」


いつも言おうと思ってたこと


「いいよ…何?」


俺はニコって笑うと


「一つ目は『くん』付け禁止。爽って呼んで」


「え⁉︎えー…わかった…」


そんなことでいいんだ。とでも言いたげな顔


「お願いはそれだけ。次は言いたいこと」


___ドクン…ドクン…


「俺さ、姫奈のこと好き」


告った


「姫奈は俺のことどう思ってる?」


カーーッと顔が赤くなっていくが分かる


「私…爽の事好き…。大好きです」


生まれて初めての言われた


「俺と…付き合ってください」


「はい…お願いします」


真っ赤になりながら笑いかける姫奈


この際全ての疑問を解いちゃえ


「男性恐怖症って本当?」


顔が暗くなる


「……。私…男性恐怖症って言うか…集団が苦手。怖い…」


納得した。何かあったんだろう


あっちの世界で


「俺の彼女は絶対あいつらなんかに襲わせたりしない。信じてくれる?」


これ…信じてくれなかったら痛い……


「当たり前に決まってるじゃん‼︎頑張ってね」


あーよかった…


「じゃ、消毒ね?」


そういってキスした


恥ずくて一瞬だったけど心が満たされた


よし‼︎あいつに勝てる気がしてきた


絶対10分以内に終わらせてやる


もうキスなんてさせやしねぇ…