遊び人に恋をして

「だけどそんなとき未久に会った。」


「私?」

「最初はいつもどおりターゲットにしてやろう
と思った。  


でもすぐに未久に惚れた。一瞬で。」


倉科は抱きしめる力を強めた。


苦しいくらい、強く。


「なのに未久は先生が好きとか言うし。

告白された男と仲良くなるし、嫉妬でくるいそうになった。」


「ご、ごめん。」


「いや、我慢できなった俺が悪いんだ。

保健室の先生から聞いたよ。俺ばっか傷ついてるのかと思ってた。

勝手にまた裏切られた気でいたんだ。」


私と一緒だ。

私も勝手に裏切られてたと思ってた。


ただのすれ違いだったんだ。