信じること。









 「ピピピーッ!ピピピー!ピ「バンッ!」」






 「…うるさい」






 布団から手だけを出して、うるさい目覚ましを思いっきり叩いた。






 …今日は何曜日?






 げ。マジか…。今日はあたしの最も嫌いな月曜日。






 まぁどうせ、学校なんか行っても行ってないのと同じだけど。






 ダルい体を何とか起こして、めいいっぱい上へ伸びる。






 やっぱ休もうかな、なんて何度も考えながら適当に選んだ制服を着る。






 メイクはしない。…ウチの学校のパンダ女達と一緒になりたくないから。






 適当に準備を終えると、携帯と財布をカバンに入れて家を出た。







 あたしの家の前にはバイクが1つ。それにまたがるチャラい男。確か名前は…何だっけな。






 んー、考えても出てこない。まぁいいか、うん。






 自分の中で勝手にケリをつけたチャラい男が話しかけてきた。






 「おっはよーん、優愛たん。今日、放課後どう?」






 あー、なるほどね。まぁ見た目悪くないし。






 「…いいけど。」






 「お!やったね♪今日は先約いなかったんだね~。」






 チャラい男はガッツポーズしながら、あたしに近づいてきた。






 あたしの名前知ってるってことは、同じ高校?まぁこんな奴うちの学校にはゴロゴロいるけどね。






 「じゃあ俺の後ろ乗って行きなよ〜。一緒に登校しようぜ☆」






 あたしは黙ったままバイクの後ろに乗った。そしたら男は満足そうにバイクを走らせる。






 あたしが通ってるのはここらでは有名な不良校。髪の色が色とりどりで教室はカラフルにデコされてる。






 あたしが今腰に手を回しているこの男も赤というなんとも奇抜な色。






 指定の制服はあるものの、誰も着てこようとしないのが現状。あたしだってあんなダサいの着たくないし。






 10分程ぼーっと過ぎていく景色を見ていたら、バイクは学校の校門へ入った。






 「は〜い。到着だよ♪んじゃ放課後、楽しみにしてるね優愛た〜ん。」






 何が『優愛たん』だキモい呼び方しないでよ。キッとひらひら手を振る赤い頭を睨みつけた。






 容姿だけ見れば、女には困ってないだろうに。何故あたしを選ぶのか…まぁ軽いからだろうけど。






 赤い頭に追いつかないようにゆっくり歩きながら昇降口へ向かった。






 昇降口に入った途端に女の香水の匂い。鼻が曲がりそうなんだけど…。






 キャーキャー言ってる見るも哀れなパンダ達を睨みつけながら、人が少ない場所を通る。






 うちの学校には、不良校と呼ばれる理由がある。






 もちろん、学力なんか下の下。そして校則なんかあることも知らない生徒の現状。






 それと…族に入ってる奴らが大半を占めているということ。






 強ければ強い族に入ってる男が登校すると、パンダ達は一斉にそいつに群がる。






 いわゆる「ごますり」ってやつ?





 ウチの学校は、動物園ですかね。パンダがいっぱいいるし、男はみんなゴツくてゴリラ。






 あー、入る高校間違えたかな〜…なんて。まぁここ以外に家から近い場所なんか…あるけど行きたくないし。






 パンダとゴリラの群れを白い目で見ながら、階段を上がる。なんでこんな長いんだよ…。






 この学校は1年が3階、3年が1階と上から学年が上がるごとに階が下がる。あたしはまだ1年だから一番上。






 重い足を動かしながら、汚い廊下をゴミを避けて進む。あたしを見た途端、廊下にいたパンダ達があたしを睨みつける。






 「あーぁ。また来たよビッチが。」






 「学校なんか来ないでホテルでも行けばいいのに。」






 …だっる。パンダがなんか言ってる。うわ見てる。やめてー、哀れに見えるよ←






 パンダ達をスルーしてドアを開けて教室に入った。






 もうすぐチャイムが鳴るというのに、誰も座ろうとはしない。…まぁ当然か。






 そんなこと考えてるあたしだけがまともなのかもしれない。





 「あれ?優愛来てたの?携帯に連絡くれればいいのに〜。」






 あたしより少し低い声を出しながら、ダークブラウンのストレートの髪の毛をいじってあたしに近づいてきた女、神田美結。






 この学校で唯一あたしと話す女友達。






 「あー、そんな暇なかったから。」






 あたしがそう言うと、グロスで潤っている唇を尖らせ不満そうな顔をする美結。