愛知の隣の席の女子が、

「清香の返事は?」

 と興味津々で言った。

 清香と仲良い女だ。

「は」

 愛知は一言それだけで無視した。

「何で無視すんの?」

 女子が愛知をつつく。

「お前ら嫌いやから」

 愛知の特長は、物事をはっきりいうこと。

 僕は愛知の、直す素振りもない神戸育ちの関西弁が好きだった。

 女子は黙って、清香にまわす手紙を書いたりしていた。

 その次の休み時間に、清香と女子が数人、愛知の元にきた。

「返事は?」

 清香が笑顔え言った。

 愛知は虫して、僕といとんくんの腕を掴んで廊下に出ようとした。

 清香が愛知の腕を掴む。

 愛知はパシッと払って僕らの腕を引いた。

 生太もあとについてくる。