その夜は、寝られなかった。 月を見て、心を落ち着かさせた。 『姫様、寝られぬのですか?』 『はい…』 小さく返事をした。 『これより、姫様の侍女になりました。 少納言にございます。 何卒、よろしゅうお願い申し上げま す。』 『少納言、ですね。』 『はい!』 『まぁ、元気の良いこと。』 ふふと笑った。 『年はいくつですか?』 『19です。』 『そうですか。これからお願いしますよ』 『はい!!』