停車して、扉が開いたとたん、人がごったがえす。


朝の通勤、通学ラッシュのせいもあるけど、人の数が半端じゃない。


押し潰されてしまいそうになるのをたえて、私はやっと外に出た。


私の家から学校は、結構遠い方で、毎日数十分ほど電車に乗って行かなきゃいけない。


なので、ホームに降りたときはずっと着けてたマスクを外したような空気のおいしさを感じる。


彼とは、降りる駅がちがうので、ここでさよなら。



最後に彼を見ようと顔を向けると、


「………っ……!」


目が……、あった…。



心臓が一気に音をたてた。