「キレ〜」


小さな公園の
向かい合って二つある入り口のちょうど真ん中に
1本の大きな桜の木がある



毎日通っていて毎日見ているはずの桜の木が
今日は何故が気になった




「こんなにキレイだったっけ?」


なんでだろう…
いつも見ている桜の木と少し違う気もする


そんなはずないのに



「はー……」


上を見上げていたら春の爽やかな風が髪を靡かせて桜の木を揺らした





ふと、反対側の入り口付近に目をやると
他校の制服を着た同い年くらいの男性がいて
その人も私と同じように桜を見上げている



その人は、遠くから見ても分かるくらいの整った顔にスタイルの良い長身

ブラウンの髪が風でサラサラと揺れていた