結局トイレに行きたいと言い出した詩乃は髪を整えるだけだったようだ。


あんたが髪を整えるために私はこんなにも神経を使ったのだ。


イライラしてきたが、顔には出さないようにした。


教室に戻るときも頭を使わなければならない。
また一人にはなりたくない。
そう思ったその時。


バタバタバタバタッ…


何が起こったのかわからないが、日菜と詩乃が手をつないで全力で走って教室に戻っている。


きっと私が足が遅いのを知っててやっているのだ。


私が気づいた時にはもう二人は私の先を進んでおり、私の足の速さではとてもじゃないけど追いつけない。


「えー、二人ともなんで走るのぉー」


私は呆れた顔をして、疲れたふりをしてわざと遅く行った。
2人が走って先に行ってしまったときはいつもこうする。


でも正直辛かった。
次の授業には全く集中できなかった。