授業の終わりに近づくと美香はいつも考え事をする。
最近は休み時間になっていち早く日菜のもとに行けるように、前の授業で使ったものを片づけ、次の授業の準備を少しでも早くできるように計画し、脳内でシュミレーションするのだ。




気をつけ。礼。ありがとうございました。




美香はおかしくない程度の早歩きで前の授業で使ったものを片付け、次の授業の準備をした。
日菜はもう準備まで終わっているようだ。ふと、詩乃を見るとまだ準備している。美香は日菜のもとに駆け寄り、話しかける。


すると数秒後に詩乃も来た。


ちぇ。


心の奥で舌打ちする。
詩乃が来るのがもっと遅ければ詩乃が来る前にトイレにでも連れ出して二人きりになれたのに。


二人きりになったところでどんな話をするか、なにをするかなどを決めているわけではない。


詩乃の悪口を言うつもりもない。


第一、トイレにいたとしても詩乃はトイレにまで来るだろう。
だが、日菜と二人でいる。ということだけでなぜだか安心するのだ。