目眩がする。 さっきとは違う、嬉しくない心臓の音。 倒れそうになるのをなんとか耐える。 皐月は、そんな人だったの? そのことばかり、思い浮かんできた。 思考回路が切断されそう。 吐き気を無理矢理収め、その場から逃げさった。 途中聴こえてきたのは、 「まあ確かに、あいつの泣き顔見てみてぇ」 と、皐月と男子たちとの笑い声だった。