幼なじみが、先生で。



ずっと、ずっと待ってた。

蒼ちゃんに会いたいってずっと思ってた。


「担当は数学です。よろしくお願いします」


あそこに居るのは蒼ちゃんなの?


背は前より少し高くて足もスラッとしていて、大人な雰囲気がする。


わたしが最後に見たのは高校生の蒼ちゃんで、今見ているのは社会人の……大人になった蒼ちゃん。


突然の出来事になかなか頭の中が整理できない。


混乱する頭で唯一理解できるのは蒼ちゃんが戻って来てくれたということ。

わたしとの約束を覚えてくれていたんだ。


壇上に立っている蒼ちゃんはわたしがここに居ることを知っているのだろうか。



こっち見てよ……蒼ちゃん。

何度そう思っても、最後まで蒼ちゃんと目が合うことはなかった。






「海里!帰りにクレープ食べ行こうよ」


「ごめん、今日は用事あるんだ!また今度行こう」


「そっか!じゃあバイバイ」

「うん、また明日」