睡魔と戦い続けて数分後、突然周りがざわざわとうるさくなって意識が戻ってきた。
「あの先生かっこよくない?」
「授業教えてもらいたーい!」
「あの先生がかっこいい」そんな言葉ばかりが飛んでくる。
あの先生………?
「あ!ついに挨拶まわってきたよ」
みんながかっこいいと騒いでいた先生の挨拶の順番がきたようだ。
わたしもなんとなく気になって、下がっていた頭を壇上の方に向けた。
「みなさんおはようございます」
え…………?
一瞬、息が止まったかと思った。
「今日からこの学校でお世話になる、」
嘘だ。
きっと幻だ。
「ーーー桐生蒼と言います」
頭に衝撃が走った。
蒼ちゃん………?



