あんな夢を見たせいで、今にも涙が溢れそう。
……いつもなら蒼ちゃんの夢なんか見ないのに。
もしかしたら何か良い事でもあるのかもしれない。
夢とはいえ、蒼ちゃんに会えた日はなんだか良いことが起きる予感がする。
「新学期……何かドキドキなことでもあるのかな」
期待に胸を膨らませ、いつも通りの道を進んで行った。
*
「海里っ!おはよー!」
「おはよう結衣」
教室に着くと真っ先に友達の結衣(ゆい)の声が飛んできた。
「3年でも海里と同じクラスでホントよかったよ〜」
「うん、わたしも!」
結衣とは高校に入学した頃からの付き合いで3年間同じクラスだ。



