あんな夢を見たせいで、今にも涙が溢れそう。

……いつもなら蒼ちゃんの夢なんか見ないのに。


もしかしたら何か良い事でもあるのかもしれない。


夢とはいえ、蒼ちゃんに会えた日はなんだか良いことが起きる予感がする。



「新学期……何かドキドキなことでもあるのかな」


期待に胸を膨らませ、いつも通りの道を進んで行った。







「海里っ!おはよー!」


「おはよう結衣」



教室に着くと真っ先に友達の結衣(ゆい)の声が飛んできた。


「3年でも海里と同じクラスでホントよかったよ〜」

「うん、わたしも!」


結衣とは高校に入学した頃からの付き合いで3年間同じクラスだ。