「辻宮がそう言うなら行ってみようかな、コスプレ喫茶」
蒼ちゃん……来てくれるんだ……。
その言葉を聞いただけで、なんだか胸がきゅっと苦しくなった。
「そ、そうですか……嬉しいです………」
トクン、トクン、と高鳴る鼓動が体全身に伝わってくる。
顔が……熱い。
ソッと頬に手を触れてみるとよくわかる。
熱でも出たみたいだ。
熱さでクラクラしているわたしなんか構わず、追い討ちを掛けるように蒼ちゃんはまた口を開いた。
「似合ってるよ、その格好」
な、なんで………。
なんで急に……そんなこと、言うかなぁ。
こっちは恥ずかしくて今にも死にそうなのに。
トクン、トクン、と更に激しく波打つ鼓動が私に知らせてくる。
好き。
蒼ちゃんが、誰よりも。
何よりも。
どうしようもないくらい、わたしの中は蒼ちゃんでいっぱいなんだ。
うっかり言っちゃいそうだよ、バカ。



