「ちょ、辻宮!?」
背後からわたしの名前を呼ぶ蒼ちゃんの声も聞こえないふりをして、ただひたすら逃げるように駆け抜ける。
教室の前で、ましてや学校で悲鳴をあげるわけにはいかない。
こんなときでもわたしの頭は以外と冷静で、ちゃんと物事を理解できていた。
でも、自分の感情はコントロールなんかできやしない。
ひぇえええええええ!!!
そそそそうちゃんに見られた!
見られちゃったよ〜!!!!
声に出せない分、ありったけの気持ちを込めて心の中で感嘆を漏らした。
遥に見られたときよりも何十倍、何百倍と恥ずかしい。
顔が熱くて今にも爆発してしまいそう。



