「やっと落ち着いてきたな」

にぃにが私の頬に手を伸ばしてきた。

久しぶりに私に触れたにぃにの手は大きくて暖かい。

「あの日...」

パッと手を離して景色を眺めながら昔のことを話し始めた。

覚えてるんだ。

でも、それは私が覚えている話では無くて初めて会った日のことだった。