学校のすぐそばのバスケットコートがある公園。

とりあえず自己紹介ね~って誰かが言い出して自己紹介中です(笑)

シュン、ユウキ、ケン、リク、マサヤ

名前は覚えたけど顔とあんまり一致しない。

ごめんなさいみなさんちゃんと覚えていきます><


「はい、じゃあバスケ~」
ってまた誰かが言い出して。

始まったのはいいけどあたしバスケなんかできないし!!!!

有希は元バスケ部でめっちゃうまい!!

とりあえず動きまくって疲れた。


「あたし休む!!!」

って言って一人コートを出てみんなのバスケを見ながら座り込む。

「なら俺も休もっ♪」

一人コートから出てきた。
5人の中で一番背の高い人。優しそうな顔。

ユウキくん、かな??

「おつかれ」

あたしの隣に座って声をかけてくる。

「あ、おつかれっ!!あたし全然体力つづかないよぉ~(笑)」

なんて話していいかわかんないからとりあえず大げさに。

「俺もきっつい(笑)」

あははって笑ってふたりともバスケの方に視線を戻した。


「悠李ちゃんシュンと話したことある?」

「え?いや、今日話したのが初めてだけど?」

「あ、そなんだ!」

んん?なんだろう??



なんか何話していいかわかんないな・・・

「シュン君ってさ!すっごい可愛い彼女いるよね!!」

あ。余計な話振っちゃった。あたしのばか。
焦って墓穴掘っちゃったよ・・・

「え?」

ユウキ君は、え?って、言いながらほんとにえ?って顔してる。
あれ?知らないのかな?仲いいのに?

男の子ってそんなもん??

「昨日かわいい子と二人で帰ってるとこ見ちゃってさ!あれどこ制服だっけ・・・」

「それってもしかして中央の制服着てた?」

ユウキ君の言葉にピンときた。

「それだ!中央の子だった!!」

中央高校は女子高で制服もかわいいし
可愛い子が多いって有名なとこだよね~

一瞬見ただけだけどすごいかわいかったし、さすがって感じ。
あんなのあたしが見ても惚れるって。

「俺その子のことは知ってるけど、付き合ってるとか聞いたことない」

ユウキ君が言った言葉。
やっぱりそれは嬉しくて。
違うのかな?あたしが勝手に思い込んだだけ?


違うんだったら、それが一番いい。


「それにシュンは」

そこまで言ったユウキ君の声を遮ったのは。

「おい、ユーキ。交代」

この声知ってる。わかる。
もう覚えてしまっている。

「あ、わり。ならまたね悠李ちゃん♪」

そう言ってユウキ君はコートに戻って行った。

「シュン君だ」

あたしはシュン君を見上げる。

「うん」

そう言って笑ってくれたシュン君の笑顔は、この前とはまた違う笑顔だけど
それもやっぱり太陽みたいに暖かいそれだった。


好きだ。
やっぱり好き。

そう思わされる。

「シュンでいいよ」

やばい。呼び捨て・・・///

「シュン・・は、身長何センチ??」

「ん?173あるよ!」

え。

「うっそだぁーーーー!!!」

「は?!なんでだよ!(笑)」

「だって嘘!うそでしょ!165くらいに見える!」

「そらひどいわ!泣くわ!」

「あたしの方が高かったりして♪」

ってそれは馬鹿にしすぎなんだけどね(笑)
わざとらしく立ち上がって並んでみた。

あれ、全然あたしより高い。
並んでみるとわかる。

「ほら♪」

いたづらっぽく笑うシュンにドキってなる。
また顔が熱くなる。

ばれないように少し俯く。

「でもよく言われんだよねー小っちゃく見えるって。萎えるわ(笑)」

でも165は初めてだわって笑う。
もうこれ以上ドキドキさせないで。

顔が熱いの治まんない。

「どした?」

あたしがずっと黙り込んでるから心配したのかな?

少し覗き込むようにして話しかけてくる。

やばいって。今見られたらやばい。

ごまかせるかな??

「や、ちょっと日差し強いから熱くって・・・」

「ん」

シュンは頷いたのか返事をしたのか反射的に出たのか、そんなよくわからない
「ん」だけを残して走って行ってしまった。


嘘ってばれたわけじゃないよね・・・??

あたしは一人になって、バスケを見てた。
なんか楽しかったなさっきの。
普通に話せて、よかった。

なんて思っていたら頬に冷たい感触。

「わっ?!」

びっくりして見たらシュンがカルピスソーダのペットボトル持ってて、
「炭酸飲める?」って。

「の、飲める・・・」

「じゃああげる♪暑さで倒れられても困るわ(笑)」

あ、そっか。あたしが暑いって言ったから買ってきてくれたのか。

「ありがとう」

嬉しい。ありがとう。ありがとう。
なんか。なんだろう。胸がきゅーってなるこの感じ。

あたしきっといま幸せ感じてる。

ニヤけ止まんないかも。

「なに笑ってんの(笑)」

とかゆわれちゃうし、どんだけ笑顔振りまいてんだあたしの顔は。





「シュンちゃん!」

え?
声はあたし達のうしろから。

みんなはバスケやってるから後ろになんているわけないし。






じゃあ、だれ??








シュンもあたしも振返って確認する。
その子を。



中央の制服を着た、その子を見る。



「シュンちゃん、その人だれ?」

あたしを見つめる目は今にも泣きだしそうに揺れていて
シュンに問いかけたその声もすごく震えている。

「ねえ、だれ・・・?」


「おい!だれだれこのかわいい子♪」
この重い空気を破ったのはさっきまでコートでバスケしてたはずのマサヤ君。

「シュンの知り合い?」

「え、だれ~?」

「おっかわいい♪」

気づけばみんなが集合していて。

その子のことを囲んでいる。

「え、あの・・・」

明らかに困ってるけど、どうすれば・・・


って思ってたらひとつの手がその子の手を引っ張って、
自分の方へ引き寄せた。








「俺の彼女」









堂々としたその声に。





シュンの声に。




あたしは





やっぱり、って思った。