今日は運転手で


そっとそばに行って、隣に腰掛ける。

スカートを、ちょっとたくしあげて、ベッドの上にあぐらをかく。

周防はちらりとあたしに目を向けて、

「見合い相手の前では、しないように」

「そこまで馬鹿ではありません」

「・・・そうだよな、何か、説教したくなるんだよなキヨシって」

ベッドに放り出してある、ネクタイに手を伸ばす。

あたしのほうが近い。

あたしが手を伸ばして、先にネクタイを手に入れる。

「あ、ありが・・・」

「していい?」

しゅるりと、ネクタイを伸ばす。

「結べる?」

「多分」

着たばかりのシャツの襟を立てる。

必然的に、あたしは周防のそばにいる。

自爆してるな。

あんまり深く考えてなかった。

周防にはバレたくないのに、尋常じゃない脈拍が、あたしを裏切ってる。