「オレ、あなたの協力者じゃないですよ」
周防は笑ったまま言った。
「それに、もう、彼女の運転手はしません」
母は怪訝な表情になる。
「どういうことなの?」
「もう、お見合いはさせたくないです。オレが、キヨカと付き合ってるんです」
あたしはぎょっとしたけれど、母は目を向いた。
周防は母の好みじゃない。
怒るに決まってる。
若くてかわいい、義理の息子が欲しかったのに、希望をうばわれかけている。
「お願いします、邪魔しないでください」
母の顔から、血の気が失せる。
信じちゃうんだ。
周防があたしを本気で相手にしてくれるって、思っちゃう辺り、怖い人だ。
あたしは、周防に引っ張られて、外に出た。
母は放心状態で、座り込んでしまったから。
そうだよね。
底の浅いウソをついた後は、逃げるに限る。

