反動で、地面に引き戻される。
全く抗えない力。
あたしはちょっとビビリながら、周防をみる。
周防は無表情だ。
「・・・もうちょっと、手加減してよ」
「してる」
「バカぢから」
「悪かった。キヨシ好みの非力な華奢男じゃないもんで」
言って、前を向いたまま、ネクタイに、指をはわせてゆるめ出す。
何気ない仕草なのに、見とれてしまう。
「せっかく一緒にいるんだから、わざわざ独りにしないでほしい。オレ、すごい寂しい奴じゃん。こんなとこに独りでいたら」
「そっ、それもそうだね」
あたしがしめさせてもらったネクタイだってことなんて、何の意味も感じないんだな。
ただ、邪魔そうに外して、ポケットにねじ込んでしまう。
ついでに窮屈なシャツのボタンも外して、両手で、整えた髪をかき混ぜる。
素直な髪型。
ああ、この方がずっといいっ。

