周防がこっちを見る。
「早く帰りて~とか思ってるでしょ。でも、帰さない。あたしは楽しいから。ここで、ず~っと座ってるだけでもぜんぜん楽しい」
砂に、腰を降ろす。
ポカポカした太陽が、心地よい。
風もあんまりないし。
「・・・オレは車で待ってる、とか言わないでね」
「そこまで薄情なこと、しないけど。キヨシ、日焼けして怪しまれない?」
「相手のヒトと海に行きました。って言うから大丈夫」
「そう、か」
「うん」
余計なこと、気づかないで欲しい。
せっかく、あたしはこの状況を楽しませてもらってるのに。
「一週間に一回はボーッとするんだ。こういうところで」
「いや、主に家の中だけど。こんなところ、一人できても・・・なあ。でも、それもいいかな。今度来てみようかな」
「オレも、ホテル泊まり歩くの、休憩にして、こういうところに来てみようかな」
「あ、じゃあ、あたしもついでに連れてきてよ」
周防がこっちを見る。
「って、あの、ついたら、さーって、邪魔にならないくらいに離れてくからさ。これくらい」
実演しようと、立ち上がりかけて
「いいよ」
ぐいっと腕をつかまれる。

