☆
「あ、海」
「そう。今なら誰も居ない・・・かな」
車はがらがら。
でも、止まっていないこともない。
釣りでもしてるのかな。
けれど、思いがけなく外は暖かくて、
ヒトの姿もちらほらとある。
「うわ。いい感じのときに来たね」
砂浜のほうへ降りていく。
波と戯れている犬が居る。
散歩させているヒトと、ファミリーが一つ。
あと、何人か、何組かのヒトがゆったりと散歩を楽しんでいる。
「来てみたものの。何をしていいのか、わからないな」
周防は苦笑いして、砂に座り込む。
「・・・子供のときに、連れてきてもらったことがないからな。いまだに、妬みを込めて、嫌いな場所かもな」
あたしは、周防の隣にしゃがむ。
「あたしもあんまり連れてきてもらった覚えがない。でも、何をしていいのかわからない、のは、一緒に来てる相手が悪いんだよ」

