これでは、変なヤツ、確定だ。
落ち着け、あたし。
ふーっと息を吐いて、ネクタイを仕上げる。
長さもおかしくないし、綺麗に出来ている。
「緊張するから、見ないでって言ったのに」
「緊張?ネクタイに?」
そんなわけないだろ。
こいつ、もしかして、勘が鈍い性質か?
「周防さんに」
「オレ?そうか。緊張してもらえるほど、気を使っていただけているとは気づかなかった」
うわあ、皮肉言われたよ。
って、あたし、そんなに態度悪かったのか。
「ああ、もう時間ない。出かけるよ」
周防はスーツをつかんで立ち上がる。
「ほら、立って。服、調えて。大事な戦闘服なんだから」
あたしは苦笑した。
☆

