「真理」と、左隣に座る賢司が私を呼んだ。
「……ん?」
振り向くと、賢司の顔が間近にあり、思わず仰け反りそうになった。
「そんなに驚いた顔すんなよ!ほんと昔と変わんねえな!ほら、曲決めろよ!」
ポン、と曲の掲載された本を手渡された。
「あ、ありがと」
部屋の熱気のせいなのか、お酒のせいなのか分からないけど、顔が熱を帯びたように熱い。
慌てて、ページを捲り、曲を探し始めた。
「ところでさ、真理、結婚したんだってな!おめでとう!」
「あ、りがとう…」
「でもさ、お前みたいな奴と結婚する物好きもいたんだなぁ。驚いたよ」
「――…失礼なっ!!」
頬っぺたを膨らませて、怒りのポーズを見せた。


