「はぁ〜、涼しい」
外との気温差は、どのくらいだろう。
ちょっと太めで暑がりの母に合わせ、ヒヤッとするほどにリビングが冷やされていた。
急速に汗が引いていく。
ソファーには飼い猫の『シマ』が気持ちよさそうにお昼寝中。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
目の前に差し出されたグラスに手を伸ばし、ゴクゴク…と冷たい麦茶を飲み干した。
「はぁー、美味しい!」
グラスに残った氷を口に含むと、ガリガリッと音を立て砕けていった。
「そうそう、これ来てたんだけど」
思い出したように、電話台の引き出しに手を伸ばした母は、私の目の前にハガキを差し出した。
宛名が『山本真理様』になっている。
裏返すと――
胸が、ドクン…と高鳴った。


