皿の上に流れだす黄身は、決壊したダムのように皿を黄色く染めた。 なんだか、すっかり食べる気も失せてしまった。 朝から気合いを入れて焼いたパンも、二人分とはいえ、かなりの量。 到底、私一人では食べきれない。 実家にでも持っていくかな……。 新聞にざっと目を通してから重たい腰を上げ、食器を片付け始めた。 次々とゴミ箱に入れられる残飯。 虚しさが、一層、増した瞬間だった。