手のひらに収まる小さなカードを、何度も何度も読み返した。


拓也の深い愛情に涙が頬を伝う。



「真理は、よく泣くなぁ」   と、笑いながら指先で涙を拭ってくれた拓也。


最近の私は、彼の優しさに泣かされてばかり。すっかり涙もろくなってしまった。



ちょうど一年前の結婚記念日を思い出す。



あの日も幸せに満ち溢れていた。それなのに――…。




抱き寄せられた胸の中で、心に誓った。“拓也とともに、幸せな人生を歩んでいく”と。 



――もう迷わない。 



拓也とお腹の赤ちゃんとを、私がしっかり守っていくんだ――…。 



都心の夜景が煌びやかな光を放つ中、誓いを新たにした。